…どこかの誰かが言っていた言葉に近いですが
人が傷ついている時、思い悩んでいる時、自分を責めたり色々なことを考えてしまって
間違った「思い込み」をしている可能性があります。
その思い込みを治す、のではなく正しい方向へと直す。
そういった試みがあります。
実際に行われた心理カウンセリングのやり取りを抜粋して例に見てみましょう。
先生、私大きな失敗をしたんです!私はもうダメなんです!
…なぜ失敗したらダメなんですか?
だってそうでしょう!失敗したんですから!良くないことなんですから!
…どうしてですか?
だって失敗をしたという事は、人生においての落ち度ですよ!
失敗をした人のその後の人生はすべてうまくいかないものなのでしょうか。
失敗をした全員がそうですか?
失敗をしたすべての人は会社をクビになり、路頭に迷った人生を送っているのでしょうか?
失敗した後で幸せに暮らしている人、そんな人は非常にマレで、珍しい事なのでしょうか。
…いや、中には成功者もいるのではないでしょうか。
では、そのグループにあなたが入っていない事をどうしてこの段階で決められたのでしょうか。
…そう、ですよね。
マイナスの気持ちになっている時には視野が狭くなり、マイナスのことしか見えなくなっていきます。
そして自分の失敗を責めて責めてダメなことだと自分に言い聞かせてしまい、ますます落ち込んでいってしまう。
そんな悪循環が起こっていました。
ですが少し視野を広げて物事を考えてみるきっかけを与えてあげることにより、色々な選択肢が見えてくることもあるのです。
このやり取りで自分を責めるしかなかったクライアントさんの気持ちを他の考えに導く準備ができました。
ですが思い込みの激しいクライアントはまた失敗にフォーカスを当ててしまいます。
でもですよ!私は失敗したんです!!
失敗したらダメなのですか?
そうでしょう!失敗ですよ?ダメに決まっています!
どうなのでしょうか。
思井さん、あなたは今までの人生の中で一度も失敗をしたことがないという人に出会ったことはありますか?
そんな人いるわけないでしょう!
ですよね。
誰もが失敗するという事はご自身で認められるのにどうして自分の失敗に対しては寛容でいられないのでしょうか。
でも!
普通の失敗じゃないんです!
大きな最悪な失敗ですよ!
その失敗が最悪だとおっしゃいますが、その失敗から学ばれたこと、気づかれたことはなかったですか?
いっぱいある…と思います。
なるほど。
ならば次の仕事をするときにはその失敗を活かせる可能性があるという事ですね。
でも今回の失敗は最悪なことだけでなく、得たこともあったにも関わらず
なぜ「最悪」というところだけに意識を向けているのでしょうか。
そうい言われると…。
…
……
なんで悩んでたんでしたっけ?
というように、考え方を正しい方向に導いてあげることによってその人の気持ちをマイナス方向からそらすことができるかもしれません。
思い込んで事実ではない、推論ばかりを並べてしまう。
人の心は思い込むとそれだけを信じてしまう。
失敗したことは事実かもしれませんんが、その後の「自分はダメなんだ」という推論を「次に活かす学びがあった」という事実で塗り替えてあげる。
そうすることにより気持ちを和らげることができるかもしれません。
あなたのまわりに思い悩み、自分を責めている人がいたら
まずはよく話を聴いてあげてから、気持ちを他の部分にそらすように誘導してあげてみてください。
すろぅぷ
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